“Success is like failure, It’s how you perceive it, It’s what you do with it, not how you achieve it.”
(成功っていうのは失敗のようなもの。達成する為のものではなく、通過点だ。)S・ソンドハイム
先日の「Merrily We Roll Along」観劇以降、ソンドハイム・ブームが続いているボクの頭の中。
きちんと丁寧に勉強してみようか、なんて、考える。
ふと、これって、若い頃にはあんまり興味を持てなかった、その偉大さがよくわかっていなかったバッハやベートーベンの音楽に対する感覚と似ているのかもしれないと思った。
きちんと、ガッチリと構築されたもの。
そして、何よりその人生観とでも言うのだろうか、それとも…人生哲学?
その視点に自分の視点を重ねられるほどのものが自分の中にはなかった(今でもたいしてありはしないけど)から、その難解そうな(実際難解でもあるわけだけど)譜面づらに恐れをなして、なんとなく遠巻きに眺めていただけだった。
それが、オスカー・ハマースタインⅡ世について調べるために、あれこれ読み漁る中で、ハマースタインとソンドハイムの関係というものについても知った。
「Allegro」という作品についての様々な情報を通して(と当然ながら、それ以外の彼の人生の出来事を通して)ハマースタインの人生観にも触れると同時に、それを身近で見て、聞いて、学んだに違いないソンドハイムについても、それ以前とは違った興味を抱いたものだった。
「Allegro」日本初演を演出した勝田安彦氏がプログラムの中で、
キャメロン・マッキントッシュがソンドハイムに言ったというジョーク、「あなたは『Allegro』の第二幕を直すことに生涯を使ってしまった」は示唆的です。
と書いていらしたが、言い得て妙なのだ、きっと。
それぐらい、ハマースタインと過ごした時間はソンドハイムにとってかけがえのない、大きな影響を与えるものだったに違いない。
なんとも幸せなことに、今の時代を生きるボクたちは、ハマースタインやソンドハイムがこの世に生み出した作品の数々を、色々な形で観て、聴いて、触れて、受け取り、感じることができる。
ここまで書いて、今、気がついた。
ボクはここまで一度も“ミュージカル”という言葉を使っていない。
そのことに何の違和感も感じていなかった。(笑)
でも、そういうことなんだ、きっと。
本質は、“ミュージカル”という呼び名の中にはない。
自己完結と言ってしまえばそれまでだけど、なんか、妙に腑に落ちた瞬間。
ソンドハイム90歳を祝うこの動画、音楽という点でも、俳優たちの発声、表現という点でも…とにかく学びの宝庫。
居て、聴いて、語る。
この言葉の意味を、今更ながら噛みしめてみることにしよう。
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