「生計を立てるために、自分の人生をつくることを忘れてしまうほどに忙しくなってはいけないわ。」ドリー・パートン
原文は、“Don’t get so busy making a living that you forget to make a life.”
アメリカのシンガーソングライター(カントリー・ミュージックの第一人者)、女優、作家、経営者でもある方の言葉です。
日々の生活を送る、つまり生活費を稼ぐためだけに時間に追われていると、自分の人生を送るということがどんなものだったか忘れてしまう。
身につまされるというか、切ない文章。

かつて、バブリーな時代、劇団時代のお話ですが、楽屋口で出待ちをしていた若いお嬢様方(いわゆるOLさん)がまるでトランプのように同じ演目のチケットを持って「来週もまた来ます。」(毎週末に関西から東京に遠征してきていたようで)と笑顔でおっしゃいました。
続けて、「この前ブロードウェイにも行って来たんですぅ。」と聞いた時には、何とも言えない切ない気持ちになったものでした。

当時、こちらは週に9回の本番と、バレエ、ジャズダンスのレッスンの日々に追われてましたから、
「夢を売る商売」している人間の方が、夢を買っている人より現実に縛られている
感が半端なかったのです。

祭日に、稽古場の食堂で自前のおにぎりなど食べながら、同僚と
「今日ってさ、国民の休日だけどボクたち休みじゃないよね。」
「バカだなぁ、俺たちは国民じゃなくて、劇団員じゃないか。」
「あ、そうかぁ!」
なんて自虐的な冗談を言い合いながら過ごしていた日々を懐かしく思い出します。

それから、10数年後、バリケードに登り降りする作品に出演中、早替わりのために楽屋がわりとなっているホリ裏の化粧前で、
「よ〜く考えよう〜、お金は大事だよぉ〜♪」
と歌って、
夜公演にガブ◯ーシュ役演じてた若手の女優さんに、
「やめてくださいよ、その夢壊すような歌!」
と突っ込まれていたのが遠い昔のようです。

ま、実際遠い昔なのですが。

何が言いたいのかっていうと…
お金は大事だよ、という話です。

これは、舞台を目指す人間に限った話ではないとは思うのですが、
舞台界隈の人間って、特に、いわゆる「霞を食って生きてる」系の人たちが多い気がするのですね。
でも、実は、そういう人たちの中にも、もっとお金のことを知っておくべき、学んでおくべき人多いんじゃないでしょうか?
だって、
“Don’t get so busy making a living that you forget to make a life.”
なんですから。
かつての自分のような若者たちに、今一度、
「よ〜く考えよう〜♪」
と歌いかけるために、
今だからこそ、
「そもそもお金って何だろう?」
と考えてみることが大切かもなぁ、なんて思いまして。
じっくり学びたいと思います。
(文字が大きくて良いわぁ、これ。
ここまで書いて、そう言えばこんなのも読んだこと思い出しました。

こっちもまた読み返してみよう。
そうしてちゃんと向き合うことで見えてくることあるはずなんですよね。
「あの頃、劇団の食堂でくだらない冗談を言い合っている時に向き合っていれば…」
「あの日、ホリ裏でお気楽に歌っていた時に向き合っていれば…」
そう思わないでもないですが、
残りの人生、今日が一番若いわけだし、もし、あの頃の自分に出会えたらちゃんと教えられるように…学びましょう。
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