オンライン(遠隔)授業、オンデマンド型の洗礼は或る日突然やってきた・・・
PCのデスクトップを整理していたら、こんなものが出てきた。

去年の今頃(なのかな)、コロナで全ての講義(授業)をオンラインで実施せざるを得なくなった時に作った資料。
自分がどんな手順でオンデマンド型の教材を作っているかを、同僚の講師に伝えるために作ったものがこれ。
とにかく、その日はある日突然やってきた。
その時点で、自分が持っている知識と環境(自宅で作成→配信するしかなかったわけだから)で、
ミュージカル関連の授業をオンライン(遠隔)で教えねばならないという状況が降って湧いたのだ。
これにはとにかく頭を抱えた。
「本来対面で進める舞台芸術の授業内容をどうすればオンラインで伝えられるか?」
ない知恵をふり絞った。
何と言っても、
劇場という空間に複数の観客が集って、肉体を表現手段として用いる“パフォーミングアーツ“について教えているわけだから、教養科目を中心とした座学の科目とは事情が違う。
“空間と時間を共有する”“肉体を表現手段とする”“リアルタイムの音声を媒体とする”
ことを前提とする芸術を(たしかに“学問”として学んでいるとは言え)、いきなりオンラインである。


「PDFは新世界の神だ」と思った。(夜神月かよ)
まず何より問題だったのが、「ポータルサイトを経由して資料を配布する」のだが、ここから配信できるデータの形式と容量がえらく制限されていること。
動画や音声は無理。「チーン!」ここで終了である。
配信可能なのは、Word、Excel、パワーポイント、PDF、そんな感じの、要は通常印刷物で配布していたような資料ぐらい。
パワーポイントやKeynoteのようなプレゼン資料も、音声や動画を挿入すればあっという間に容量オーバーときた。
「チーン!」再び終了。

zoomのようなリアルタイムの配信も考えたが、受け手側の通信環境が人それぞれ違う。
途中でトラブったら、講義としては支障が出る。
やはりオンデマンド型がベストとは言えなくてもベターであろうと判断。
ここで、ハッと気がついた。
「PDFのリンクはクリックすればWebに飛べる」ことを思い出したのだ。

一休さんがとんち閃いた時みたいに、頭の中で「!」が輝いた。
(かつて怪しい情報商材を買って学んだ経験がこんなところで活かされた。)
とにかく講義(授業)内容を動画に収めてWebにあげ、そのリンクをPDFに貼り付けクリックしてもらえばいいんじゃないか!
それに補足資料を添える。
これを王道とした。
家庭用のビデオカメラの自撮り動画、MacのKeynoteから動画を作る方法をYouTubeで学んで作った動画、Macの操作画面をQuickTimePlayerで撮った動画、iMovieで編集してWebに。
出席確認用にはGoogleフォームのアンケート機能を使うことにした。
毎日、朝から晩までYouTubeの動画でソフトの使い方説明動画を見まくって、気が狂いそうになりながらの作業。
東◯藝大や劇団◯季ではこんなこと教わっていない。
(ってか、そもそもその時代にスマホやPCなんてものは無かった。)
心の底から「ユーチューバーってすげえ」と思ったあの日・・・。
動画編集、基礎の基礎?
今となっては反省点もある。
動画を作成する上での注意点
まずは、文字の大きさ。
相手がスマホで遠隔授業を受けてる場合には、
文字が大きくないと見づらい
これも、その後いろんなYouTube動画を見て、動画作成者の話とか聞いて、納得したことの1つ。

あとはマイクの重要性。
後から自分の作った動画を見ると、機材調整し損ねて音量バラバラだったり、音質が悪かったり、内容を聴く上でストレスになりそうな部分も結構あった。
マイク重要。
これ、自分の中の教訓。
(企画・撮影・編集・投稿の全てを1人でこなして、毎週毎週動画をアップし続けるユーチューバーもいるわけで、ホント頭が下がります。)
「編集が大好きだ。映画作りの中で最もお気に入りのものの1つさ。」スティーブン・スピルバーグ
とにかく学ぶこと、試すこと、振り返ること、の繰り返し。
せっかくこの機会に学んだ知識、ここで止めずに磨いていかねば。

そして・・・
劇場という場所に集って、“空間と時間を共有する芸術”を愛でることが普通に楽しめるような日々が、一日も早く訪れますように。

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