「一生懸命に作ったものは、一生懸命見てもらえる。」黒澤明
突然ですけど、カチンコ、知ってますか?
「よ〜い・・・スタート!」
これだと運動会の駈けっこみたいみたいですが、英語で、
「Action!!」
とくれば、「おぉ、映画撮影現場か!」と気分が盛り上がる人、結構いるんじゃないですか?
そう、あの小さな黒板に拍子木くっ付けたような、昔の映画の撮影シーンで助監督(?)が「カチン!」と鳴らすやつです。
日常身の回りにあるものじゃないとは言え、最近じゃiPhoneで映画撮る人もいるんです。
そんなカチンコなんて古臭いもの、使う人いないでしょ・・・なんて思ったら大間違い。
カチンコって、めちゃ重要な役割を果たしてたんですね。
趣味と仕事で動画編集をかじって知りました。

あれ?声が遅れて…聞こえるよ?
さて、カチンコの果たす役割とは・・・。
動画編集始めるとですね、動画(映像)と音声をシンクロさせたい場合があるんです。
例えば、MV(ミュージックビデオ)なんか想像してもらえればわかると思うんですが、
あらかじめ録音してある音源に、口パクで動画をあてるとか、
ビデオカメラと被写体が離れていて、カメラのマイクだと音声がちっちゃ過ぎて音量が足らず、別のマイクで音声を録音してるとか。

そういう場合、一度パソコンに両方のデータを取り込んで、動画(映像)と音声の波形を見ながら、要はその山の位置を合わせることで、動画(映像)と音声をシンクロさせるんですな。

これがあなた、やってみるとなかなか難しい。イライラします。w
微妙にズレて、いざ再生してみると、まるでいっこく堂さんの衛星中継の腹話術みたいな感じになるわけです。
(いっこく堂さんの腹話術、衛星中継ネタをご存じない方はこちらでどうぞ。)
そう、そこでカチンコの登場です。
あのカチンコ、
- ボードに、シーン番号、カット番号、テイク数を記入して、それをフィルムの冒頭に撮影することで撮影内容の確認を容易にする。
- 映像と音声の同期を取る。(映画用のカメラは、通常映像の撮影のみで音声の録音は行わない。→だから映画の撮影シーンで長いマイク持った“音声さん”が出てくるんですね。)
という二つの目的があるんです。
ふと思い立ってAmazonで検索してみたら、こんなに出てきてびっくり・・・。
(まだまだあるみたい。)

それだけいろんな需要なあるということになりますね、これ。
眺めてたら、一つカチンコあってもいいかなと思い始めている自分がいました・・・。
もっとも、映像と音声をシンクロさせるだけなら、カチンコが無苦ても両手が画面に映るようにして、「パチン!」と鳴らすんで事は足りるんですけどね。
iPhoneで映画撮る監督までいるほど、世の中進歩してても、こういうアナログな部分が残ってることに驚きます。
でも、なんかノスタルジックでいいですよね?
というわけで、本日はカチンコの役割についてお知らせしました。
現場からは以上です。

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