人生どうなるかなんてわかりませんが、ひとつはっきりしていることは、他人と同じことをしていては駄目だ ということです。
みうらじゅんさん「ない仕事」の作り方を拝読。
みうらじゅんさんと言えば、失礼ながら
「書店のサブカルの棚で必ず見かける本の著者」
「長髪、真ん中分け、サングラスのオタク風で得体の知れない人」
と、正直かなり中途半端な認識しかありませんでした。
でも、コロナの影響でいろんな物事の状況が一変し、
おそらくこの先もそうそう元には戻らないであろうことを考えると、
いろんな方向にアンテナを張っておかなきゃと思っていた時に出会ったのが
このみうらじゅんさんの本なのです。
ゆるキャラや、マイブームもこの人が生み出していたとは・・・知らなんだ。
例えば、自分がなんらかの理由で今の仕事を失ったとして、その先どうやって生きて行くのか?
自分の知識、スキルが果たしてどこでどれだけの価値を生み出せるのか?
混沌とした世の中で、悶々としている自分が解決策を見出せるとしたら、それは
「ない仕事」を作り出すことではないかと思うのですね。
他人と同じことをしていては駄目だ ということです。
人生どうなるかなんてわかりませんが、
ひとつはっきりしていることは、
他人と同じことをしていては駄目だ ということです。
なぜかというと、つまらないからです。
なぜ他人と同じことをしていては駄目なのか?
「つまらないから」
そうか、なるほど。
小難しい理屈なんかではなく、
「つまらないから」
自ら作品を作ってから「なんだこれは!?」と自分で驚く。
これが実は、「ない仕事」の本質なのではないかと、私は思います。
自分で作り、自分でツッコミ、人が驚き振り返る。
要するに「ない仕事」とは、依頼もないのに勝手にやった仕事のことなのです。
メモメモ。
依頼もないのに勝手にやる。
となると、自分が興味のあることをガンガンやっていけば良いように思いますが、
こんな仕事をしているので、私自身がさぞ自己主張が強いと思われがちですが、
実はそうではありません。
私が何かをやるときの主語は、あくまで「私が」ではありません。
そうか、もしかしたら、
自分の興味の対象をどんどんというのは、自意識過剰とか自己中ということになるのだろうか?
みうらさんご自身はこんな風に書かれています。
そもそも何かをプロデュースするという行為は、自分をなくしていくことです。
自分のアイデアは対象物のためだけにあると思うべきなのです。
たしかに、「ない仕事」を作るということは、プレイヤーではなく、プロデューサーの役割です。
そして、例えば相手がタレントであれば、そのタレント(の才能や可能性)に惚れ込むのが、プロデユーサーとして良い仕事をするために必要なことですよね?
すべては「グッとくる」 ところから始まります。
この「グッとくる」ところが、「惚れ込む」ってことだと思ったら、そうもそうとは限らないようで・・・
何かを見たり聞いたりしたときに、
すぐに好きか嫌いかを判断できるものは、そこで終わりなのです。
好きなのか嫌いなのか自分でもわからないもの。
違和感しか感じないもの。言葉では説明できないもの。
私はそういったものに、グッとくるのです。
違和感、違和感かぁ〜。
何か、引っかかる、みたいな感じ?
頭にこびりついて離れないみたいな感じなのだろうか・・・。
いつかこの、グッときたものを人に伝わるように具現化したい。
それが私の仕事のモチベーションです。
こんな風に、自分のモチベーションを言語化できること自体がスゴイことだと思わずにはいられない。
「自分探し」をしても、何にもならないのです。
そんなことをしているひまがあるのなら、徐々に自分のボンノウを消していき、
「自分なくし」をするほうが大切です。
自分をなくして初めて、何かが見つかるのです。
「自分なくし」ってのも、自分を犠牲にするとか、滅私奉公するっていうことともちょっと違うと思うのです。
のめりこむあまり、自分が消滅するってことなのかも知れないな。
あとですね、これが非常に重みのある言葉だと思うのですが。
言うは易いですが、やり続けることが大切なのです。
これ、実際にこの本読んで、みうらさん自信が子供の頃からやり続けてきたこと、モノについて知ると、
本当にもうただただ恐れ入りました、の世界です。
そうそう、仏像についてもマニアックな知識と情報量で、かなり脚光を浴びてました、この方。
続ける力がすごいんですね、自分にない部分なので、余計に敬服致します。
何かを好きになるというのは、自分を徐々に洗脳して、
長く時間をかけて修行をして、対象のことを深く知ってからでないと、
長続きもしないし、人を説得することもできないということです。
「人を説得することもできない」
これ、重みがあります。
自分、年齢的に既に若くないので、余計に痛い言葉です。
20代の自分の首根っこつかまえて、100回音読させたいです・・・。
コツコツと自分だけの「好き」を極めていかないといけない。
今からでも遅くはないはずです。
今これを読んでるあなた、始めましょう。今日から。
自分もこれまでの人生を反省して、コツコツ積み重ねていきます。
なぜ好きなのか、
そこをどんどん狭めて考えていったときに、
誰も手をつけていない「ジャンル」が浮かび上がってくるのです。
「ない仕事」を作るのが
簡単でないこと、
時間のかかるものであること、
やり甲斐があること、
すごくよくわかる本だと思います。
繰り返し読もう、うん。
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