呼吸が変われば景色が変わる
生きていく上で呼吸が重要なのは、発声に限ったことではありません。
人間、生きている限り呼吸はしているし、そもそも意識しなくてもこの世に生まれ出た時から息はしています。
ところが、身体を使ってすることで何かに取り組もうとしたり(スポーツやダンスや、歌もそうです。)、
人前に出て何かをしなければならなくなる(面接やプレゼンなど)と、
突如としてと言って良いほど、呼吸という壁にぶち当たるのです。
人間、普段無意識に使えていたものを意識し出した途端、思うようにコントロールが効かず、動きがぎこちなくなったり、喋りを噛んでしまったりするものです。
例えて言えば、
オートマチックでしか車を運転していなかった人が、いきなりマニュアルで運転する必要に迫られたようなものです。
操作自体も理解できていないのに、複数の動作を同時に行わなければならない上に、精神的なストレスやプレッシャーも加わって、全くと言って良いほど自分の思い描いた通りにはいってくれない・・・。
まずは意識にあげること

普段、無意識のうちに働いている呼吸を意識下においてコントロールできるようになるた目にやるべきことは、
普段の自分の呼吸に意識を向けてみること。
まずは、これにつきます。
意識にあげる、ということです。
さらに、それを歌や、喋りや、踊り、自分が呼吸を活かしたいと思うフィールドで活用できるようにトレーニングしていく。
呼吸は通常、目に見えない、内的な対感覚でしか捉えられていないものなので、それをトレーニングするためには、視覚や聴覚を伴う、確認可能な方法で訓練を進めるのが一番です。
特に話し声や、ミュージカルのような演劇的要素の強い歌に関して言えば、本来対象(相手、人物)に向かって、意思や感情、欲求が原動力となって発せられるのが声なので、無機質な呼吸訓練は機能訓練にこそなれ、表現に繋がるような発展的なトレー二ングにはなり得ないでしょう。
このあたりのことを動画で話してみましたので、是非ご覧ください。
「呼吸が変わると健康にも良い影響がある」というのはよく言われることですが、
そもそも、例えば仕事で疲れている時など、滞っていた呼吸の流れがスムーズになると(おそらく脳にうまいこと酸素が供給されるんじゃないかと想像するのですが)視界が広がって尚且つ明るくなります。
「深呼吸しましょう」
って良く言いますよね?
あれ、単純ですけど深いです。
ただ、ついつい「息を(胸いっぱい)たくさん吸い込むこと」ばかりに意識がいってしまいがちですけど、
今回お話したような、“呼気”にウェイトを置いて呼吸を意識することに変えてみると、きっとこれまでと見える景色が変わってきますよ。
是非、お試しあれ。
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