強烈なキャラである。
しかも、それが何十年と衰えることなく。
ボクが最初に声楽の手ほどきを受けた、田舎の師匠のことだ。
とにかく言葉がキツい。
高校時代、声楽のレッスンに通っていた頃は、同じく通っていた女の子たちがよく泣きながらレッスン室から出てきていた。
自分が一度はついた職を辞め、舞台の世界に足を突っ込むことを電話で報告した時も、
「あんたがいかに才能が無いか」
について、延々と電話口で罵倒し続けてくれた。
10分や20分では無い。
1時間以上、言葉の暴力の乱れ打ちである。
あの時は、「この人とはもう一生口を利くまい」と思ったものだった。(笑)
そうは言っても、この人がいなければ、音楽教育のかけらも受けたことのなかった自分など、到底芸大に入れるはずもなかっただろうから、感謝はしていて、今では極めて良好な人間関係を保っている。
こういう人はとかく物言いがキツく、その代わり、たまにズバッと真理をついた名言を吐く。
日本人とは思えない単刀直入さで「で、給料はいくら貰うんですか?」と訊く。(苦笑)
そんな御大と電話で話した。
「最近はどうなの?忙しい?」
「コロナの影響で遠隔授業をする必要があって、資料用に動画作ったり、それをインターネットで観れるようにした理とか、なんだかんだ忙しいですね。」
「そりゃ、あんた、そういう技術を覚えるいい機会ですよ。これからそういうのは絶対必要になるから。役に立つよ。」
80代ともなれば「そうなの?大変だねぇ」と言いそうなもんだが・・・師匠、さすがです。
この前向きなエネルギー。。
そう言えば、かつて、
「あんたね、いい発声、楽な発声っていうけどね、あんたが苦しかろうが何だろうが、そんこたぁ知ったこっちゃ無いんですよ。プロはね、聴いてる客が『いい声だなぁ〜』と思わず唸るような声を出さなきゃ。」
と言われたことがあったっけ。
師匠、この機会にネット関連の知識やスキル、磨きます・・・。
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