「ボイトレのための自宅でできる筋トレ」メニューをメルマガで公開します
歌の勉強を始めてから、はや40年。
ミュージカルの世界に足を突っ込んで、はや30年。
その間、15年間で1,500回以上の舞台出演を経験し、
その後は歌唱指導者として数々のミュージカル作品やテーマパークのショーに関わらせていただきました。
更には、複数のスタジオ、専門学校、大学と、舞台に憧れるたくさんの若者たちに発声や歌唱表現の指導をしてきました。
(※あえて「目指す若者」とは書きません。目指すというにはあまりにも覚悟なく入門、入学する方々が多いから。自分の基準ではあくまで「憧れる若者」なので。)
そんな自分ですが、実は人に歌を教えるようになってから今まで、ずっと手をつけずに封印してきたことがあります。
それは・・・
自分がかつて師匠から伝えられた、
楽器としての身体作り(=呼吸の足場枠)の訓練を一(いち)から教えること
「稽古とは 一より習い十を知り 十より還る(かえる)基のその一」
なぜ今まで楽器としての身体作りの訓練を一から教えることをしなかったのか?
それは・・・
面倒くさかった
からです。
具体的に説明すると
- 長い時間(期間)取り組む必要がある
- 通常レッスンに使う部屋ではスペースが足りない
- そもそも習う側が「根本から取り組む必要」を感じていない
などがその主な理由です。
1.に関して自分が習う側だった頃を例に出して言えば、師匠のもとでボイトレ修行していた頃は、
平均週に3日ほどレッスンに通ってました。
それも大学の授業とは別に、です。
それ以外の時間も、レッスン代やレコード代を稼ぐためのバイトの時間以外は自主的な練習に費やしてましたから、とにかく起きてる時間のほとんど、声と歌のことしか考えてなかったことになります。
2.については、師匠のレッスン室はおそらく12畳以上はあり、男性の場合は上半身裸、女性もセパレーツの稽古着でレッスンを受け(鳩尾など呼吸に関する身体の働きがチェックできるように)、夏には合唱の家を使っての地獄のような合宿までありました。
仰向けになったり、四つん這いになったり、部屋の隅から対角線上に移動しながら発声したりと、とにかく身体を使い切ってのレッスンで、終わって部屋を出るときには心身ともにヘロヘロな、文字通り修行の日々でした。

3.これはボイトレを受ける人のほとんどに言えることですが、
「生まれてこのかた普通に声が出て話もしてるし、カラオケ行けば歌も歌うし、どちらかと言えば歌は得意な方だし、etc.」
と、声や歌に関して「もうできてる」「既に知ってる」と思い込んでるものなのです。
ここが一番の落とし穴であることにほとんどの人は気づきません。
本当は(声に関しての楽器という基準で言えば)
自分の身体は弱体化していて、本来の機能を取り戻すためのリハビリが必要
なのに、そうは思っていないというのが、ごく一般的な初心者の傾向です。
こうした前提の中で、声のための身体の使い方を一から徹底的に伝え教えるということは、
伝える方も伝えられる方もそれなりの覚悟がなければ、結局は続きません。
要はみんな「本当に自分の声を変えたい、上達したい」わけではなく、「楽してうまくなりたい、オーディションに受かりたい」のです。
ただし、以前読んだ本の中にあった言葉がまさにボクが言いたいことを代弁してくれているのでここに書きますが、
「自分を変えずに結果だけ変えたいと思うことを狂気という」
のです。
自分は変わらずに結果だけ誰かに変えてもらおうと思っているうちは大した変化は起こせません。
なので、これまでずっと封印してきたというわけです。
今回、このボイトレの具体的な訓練方法を開示しようと思った理由とは・・・
では、なぜ今回このような形でそれを開示しようと思ったのか?
それは・・・
人生には制限時間があると感じたから
です。
かつて自分がミュージカルの世界に飛び込んで、芝居はもちろん、舞台についての様々なことを指導して下さった演出家、初日のパーティーの席などで舞台についての意見や感想を聞かせてくださった評論家の方、その他、これまでに音楽や舞台を通して接点のあったいろいろな方々が一人また一人とこの世から去って行かれます。
そんな中、かつて師匠から伝授されたことのおかげで舞台で語り歌ってこれたこと、いろんな人に発声や歌について伝えてこれたこと、を考え、
「今まで封印していた師匠の教えを、このままきちんと伝えることなく終わっていいものなのか?」
という疑問が浮かんできたのです。
とは言っても、自分自身の身体は一つ、使える時間も限られています。
そんなことを悶々と考えているだけでも時間は過ぎていくわけで、この際、考えるより先に行動に移そうと、まずは師匠の教えの中からごくごく基本的な部分をピックアップして、ボイトレのモニターとして参加表明をしてくれた方々(がいれば、ですが)にお伝えしてみることにしました。
その方々からフィードバックをいただき、そこからまた試行錯誤することになるかもしれないけれど、まずはとにかくトライしてみることにしました。
小手先のテクニックではない何か、ジャンルに限定されない何か、人まねでない何か、そうした何かを自分の身体を通して掴みたいと考えている方は、是非同志としてご参加下さい。
決意表明、お待ちしてます。
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