始まりは“Old Black Joe”
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ミュージカルに関わっていると当然ながら英語に触れる機会が多い。
なぜなら、日本で人気のある作品はそのほとんどがアメリカ発かイギリス発ミュージカルの翻訳上演だから。
「キャッツ」「オペラ座の怪人」「アラジン」「リトル・マーメイド」etc.
例外的に、「エリザベート」みたいにドイツ語圏のものや、韓流ミュージカルなんてのもあるけれど、まぁ、何と言ってもメインストリームはブロードウェイかウエストエンド発の作品。

高校卒業時点で止まった英語学習
こんな風に書くと、さも英語が堪能みたいに感じるかも知れないけど、実はそうでもなくて、資料読んだり歌詞確認したりする時にはかなり手こずる方。
何故なら、そう、それはワタシが声楽科卒だから。
声楽科の場合、いわゆる第一外国語がイタリア語かドイツ語。
そこで選ばなかった方を第二外国語として勉強するパターンが多い。
それ以外には、フランス語、スペイン語、ロシア語。
ワタシの記憶が確かならば、確か英語は卒業要件に加えることができなかった・・・。
つまり、ミュージカルに関わり始めた時点で、英語能力は高校卒業時のレベルのまんま。
誰でも通る道だった洋楽への憧れ
今でもその理由はよくわからないのだが、スティーブン・フォスターの「オールド・ブラック・ジョー(Old Black Joe)」という曲(の1番)は今でも英語で歌える。
他にも「夢路より(Beautiful Dreamer)」とか。
その後は、“誰でも一度は通る道”のThe Beatlesの「 Love Me Do」とか「Yesterday 」「Hey Jude」、ベイシティー・ローラーズの「Saturday Night」、クイーン、キッス・・・。やっぱりそこには音楽があった。
KISSの「ベス(Beth)」なんかたまらなく好きだった。
駅前留学時代
舞台の世界に飛び込んでわりとすぐに、思いもよらぬ展開から、劇団のロンドン・ミラノツアーに参加する羽目になり、初めてパスポートを作り、初めて飛行機に乗った。
ショックだったのは中学・高校の計6年間勉強した英語より、大学で勉強したイタリア語の方が聴き取れたこと。
後になって、イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いを知ったのだけど、最初に行ったイギリスでは本当に聞き取れなかった。
もっとも、その後何年か経って初めてニューヨークに行った時は、事前に英語学習の秘密兵器を購入して勉強して行ったので、かなり善戦。
その秘密兵器がこれ。
『小林克也のアメリ缶』という超スグレもの。
今でも、自分の中ではこれまで購入した英語教材の中で、1・2を争う教材。
舞台語発音法のトレーニングにはもってこいだし、ミュージカル・ナンバーを歌うためのボイス・トレーニングに役立つこと間違いなし。子音の構音を身につけることができる。
(これ再販すればいいのにと心底思う。)
ただ、それでも街中で話されている英語は聴き取れず(ホテルだとゆっくり丁寧に対応してくれるけど、街中のファストフード店のバイト君とかは容赦なかった。)、ここでもショックを受ける。
そして、駆け込み寺よろしく入会したのが、当時日本中を席巻していた(!?)駅前留学のN○VAだった・・・。
ここの話は始めると長くなるのでここに詳しくは書かない。
が、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドと講師陣の出身地もバラバラで、教えてくれる英語表現ももれなくバラバラ。いやぁ、勉強になりました。

洋書チャレンジ時代
そうこうしてるうちに、
「自分が知りたい情報を得るためには、英語で本を読むのが一番だ。」
と(何の根拠もなく)確信するに至った。
日本語に訳された本があっても、頁数の関係でカットされてることも多く、翻訳が微妙に読みづらかったりする場合もある。
例えば、このアンソニー・ロビンズの「Unlimited Power」

池田貴将さんのセミナーに参加したのがきっかけで興味を持ち、何冊か出ていた日本語訳のものを読んでみたけど、どうもピンとこず・・・。
日本語訳で読んでた部分があったり、池田さんのセミナー出てたこともあり、もちろん辞書とにらめっこしながらだけど、けっこう読めた1冊。
他には、アップルのスティーブ・ジョブズの本「American genius」。

これは英語のレベルが下げて書いてあるものらしく、単語も比較的優しかった。
そのうち、TSUTAYAで見かけて、表紙のデザインに惹かれてつい買ってしまった
「 How Starbucks Saved My Life」。

これも意外とすんなり読めた。(単語わからなくてすっ飛ばしながら読んでも、話の筋がわかったのであんまりストレスなく読み進められた。)
その他、専門分野でストレスなく読めるかと思いきや、意外と手こずる「Getting to Know Him」(オスカー・ハマースタインⅡ世の伝記)

とか。
Blush Up Your Shakespeare!!
ミュージカルの仕事の現場で海外からのスタッフとコミュニケーション取る段になると、
「その時関わってる作品の台本のセリフと楽譜の歌詞にある英語を理解していればいいってもんじゃない」
とつくづく思い知らされる場面にちょくちょく出くわす。
稽古の休憩時間に、イギリス人演出・振付家に何気無く言った
“I’ve gotta go.”を
すごく嫌な顔されて、
“I SHOULD GO. American Boy!!”と直されたこと。
アメリカ人振付家に東宝株式会社の説明をしようとする音楽コーディネーターが「不動産」の英単語が出てこず、すかさず
“Real estate”
と言えて、「『金持ち父さん貧乏父さん』読んでて良かった!」と思ったこと。
アメリカ人演出・振付家と8月にホテルの朝食で一緒になって、
“Kobayashi-san, What’s OBON? ”と訊かれ、
しどろもどろになりながらも英語で伝え、
「ancestors(先祖)という単語がパッとうかんだのは、『ME and MY GIRL』で先祖やってたおかげだな。」
と一人で勝手に納得したこと。
どれもこれも、ふとした時に気になった言い回しを覚えておいたり、調べたりしてたからできたこと。
普段使わないでいると、あっという間に錆び付く自分の英語。
そりゃそうだ、高校卒業して以来、じっくり腰を据えて英語の勉強する時間も取れずにここまで来てるんだから。
「錆びないように磨いてないとダメなんだよなぁ。」
本、映画、舞台、音楽・・・英語に触れる機会はいくらでもある。
あとはその英語を使ってどんな自分を実現したいかなんだろうな。
そんなことを考えていて、ふと、このナンバーを思い出してしまった。
「キス・ミー・ケイト」に出てくる“Blush Up Your Shakespeare”
コツコツやりましょ、ね?
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